丸本酒造株式会社

COMMITMENT

酒造りは楽しい。米作りは楽しい。

作り手の言い分で恐縮ですが、作業そのものが楽しく、深い意味があります。

田んぼに植えた時は、風に吹かれて飛んでいきそうなぐらい頼りなかった苗ですが、みるまに太く分けつします。人間には危険とも思われる強力な太陽光でも、存分に吸収して青々と成長します。秋の稲刈り前には、夕日と共に、それはもう美しく黄金色に輝きます。稲が変わったなと思う時、嬉しい気持ちになる。いつの間にか、人もまわりの自然と同化しています。

すべての環境、あらゆる力(温度・湿度・光・重力・意識)が私たちを取り巻き、地球や太陽や、はるか銀河の力も私たちを包んでいます。いつも宇宙と共にある、それが私たちの米作り酒造りです。

蔵でお酒を仕込んでいる場所は、登録文化財にも指定されている古い木造建築の冷たい板場です。蔵人の足は靴下を一枚履いただけですが、重たい櫂棒でもろみを1時間以上混ぜ続けると、足の指の冷たさは消え、高い天井を見上げると重厚な梁組みが見え、周囲は発酵中のタンク。ふと生かされている気がして 「 神様ありがとう ! 」 と感じます。変と思われるかもしれませんが、それが酒造りです。

この、私たちの幸せを、呑み手の皆さまにも届けたいと思います。

六代目当主 丸本 仁一郎